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「失礼しま……うわっ」
内側から勢いよく開かれた生徒会室のドアがヒロの顔面をかすめる。驚いて飛びのくと、中から引き攣った顔をした少年が飛び出してきた。
「鬼畜っ!悪魔っ!僕……嫌だって言ったのにっ!」
ちぎれたシャツを必死で胸元に手繰り寄せながら、ドラは涙目で叫んだ。
〈嗚呼……またか。この子は確か隣の組の……〉
いかにも純粋そうに見えるこの少年は「ドラ」
品行方正、成績優秀な隣のクラスのメガネ男子だ。
「あの、大丈夫ですか?」
同情の眼差しを向けられたドラはカッと頬を朱に染めて走り去って行った。
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