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突如、伸びてきた手に首元を掴まれバランスを崩したヒロは渚の思惑通り再び床に捩伏せられてしまった。
近付いてくる端正な男の顔。
〈うわぁぁあ〉
咄嗟に身体を強張らせてギュッと目を閉じたヒロの頭上から笑い声が降り注ぐ。
「お前、なに警戒してんの?悪戯に手を出して有能な書記を失う様な真似を私がすると思うのか?まったく……」
クスクスと笑いながら渚はヒロのおでこを小突いた。
〈畜生!〉
羞恥に染まった顔を隠す様に背けて、ありえないとヒロは嘆いた。
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