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ベッドに座っている勝はゆっくりと顔を上げる コンクリート一面で固められた部屋に取っ手の無い鉄の壁 もう何日も見た同じ風景 勝は初めて独房に入ったときのことを思い出した 不安で不安で、たまらかった初日 母と妹の安否 僕が歩むこれからの人生… その日の夜は眠ることもできなかった しかし、日にちが経つにつれてその気持ちも薄れてきた 大丈夫、あの2人ならうまくやっているに違いない… 僕とは違う…まともな人生を… そう思うと気持ちが楽になってきた 心がとても軽く思える それからは良く眠れるようになった
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