26人が本棚に入れています
本棚に追加
ベッドに座っている勝はゆっくりと顔を上げる
コンクリート一面で固められた部屋に取っ手の無い鉄の壁
もう何日も見た同じ風景
勝は初めて独房に入ったときのことを思い出した
不安で不安で、たまらかった初日
母と妹の安否
僕が歩むこれからの人生…
その日の夜は眠ることもできなかった
しかし、日にちが経つにつれてその気持ちも薄れてきた
大丈夫、あの2人ならうまくやっているに違いない…
僕とは違う…まともな人生を…
そう思うと気持ちが楽になってきた
心がとても軽く思える
それからは良く眠れるようになった
最初のコメントを投稿しよう!