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楽になったのは気持ちだけではない… その時、扉が開けられた 「囚人番号10918番!早く出ろ!」 勝はハッと我にかえる 相変わらず口の悪い看守だ… この看守は、ここに務める看守の中で一番嫌な奴だ いつ見ても鬼のような形相をしている 「はい!」 嫌な気持ちを抑えながら、返事をする 「今から、洗髪をする。すぐ来い」 「はい!」 返事はハッキリと… この刑務所での掟である 勝は多少面倒くさいと思った掟だが慣れればどうとも思わない 扉をでると狭い通路になっている そこも壁はコンクリートでできており、部屋とはさほど変わらない 唯一変わるのは扉には四角い空間がある そこに頭だけを出して洗髪してもらうものだ
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