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毎日のように取り立てが家に来るようになった
近所に迷惑をかけたり、家に悪さをしにきたり
そのせいで母はノイローゼになってしまう
このままではいけない…
自分の給料では妹の学費で手一杯で生活できない状態だった
もう…打つ手はこれしかない…
深夜、勝は近所にできたダイヤモンド店に忍び込み、ダイヤを盗み出した
…うまくいった!
おい!待てぇぇぇ!
そう思ったのもつかの間、店員が追いかけて来た
くそ!
あの時、何があったのかまったく覚えていない
気づけば僕の前に血まみれなって倒れている店員の姿があった
手にはダイヤを取ったときに使ったハンマー
血に染まったハンマー
後ろのほうで女性の叫び声が聞こえた
とっさに僕は彼女に向かって走った
彼女は絶叫しながら逃げていく
後ろを振り向いた彼女と目が合う
彼女の目は恐怖に満ちていた
それほど僕は怖い顔をしていたのか?
なんせそのときは彼女を追いかけることに夢中だったから自分がどんな顔をしていたか、はっきり覚えていない
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