26人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女は細い路地に逃げ込んだ
すかさず僕も後を追う
彼女の前方には高い壁
行き止まり…
僕は彼女の方へとゆっくり足を運ぶ
右手に持っていた血まみれのハンマーを上に上げる
彼女が泣きながら叫んでいる
来ないで!人でなし!
"人でなし"に異常に敏感だった
僕は家族のためにここまでしているのに…
母を…
妹を…
救おうとしているのに…
"人でなし"は酷すぎる
僕のなかで怒りが込み上げた
振りかざしていたハンマーが勢いよく彼女目掛けて振り落とした
ガン…
彼女の頭から鮮血が噴水のごとく飛び出した
あまりの痛さに彼女は頭を抱える
僕はその手をどかし、何度も頭をハンマーで殴り付けた
何発殴ったかは覚えていない
首から上はもう形をなくしていた
血に染まったハンマーがまた血を帯びた
最初のコメントを投稿しよう!