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裁判が終わった後、勝は弁護士に深く頭を下げた
…ありがとうございました
弁護士は勝の肩をポンと叩いて姿を消した
その後は盗んだダイヤを警察に出した
そのとき、しつこく
これで全部だな?
と聞かれた
僕は昔からフリが得意だった
それでよく友達をからかったもんだ…
当然、警察も僕を信じたみたいでこれ以上は聞いてこなかった
それから裁判所で遺族に謝罪をした
店員の家族は妻、兄弟の4人家族だった
泣きじゃくる兄弟を前に勝は何も言えなかった
いや…
言えなかったのではない
言わなかったのだ…
あの時の僕は彼の死を少し喜んでいた
自分の母がそうであったように、その家族も時期に同じ思いをする
そうすれば、また僕と同じ行動にでるに違いない
そして初めて、僕の気持ちを理解するだろう
結局、その家族とはこれと言った会話もせず、勝は部屋をあとにした
部屋を出たときの勝は薄く口角をつり上げて笑った
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