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「いいから早くしろよ」
人の丈ほどあるハンマーを担ぎながら、獣の様な目で僧侶を威圧する戦士。
「わ、分かった」
明らかな殺意を感じて、僧侶が蘇生呪文を唱える。
「・・・」
戦士の意図が読めず、どうしていいか分からない僧侶・剣士・魔法使い。
「・・・はっ!な、何が・・・」
魔王、分単位の死より起床。
「あんたバカなんじゃないの」
戦士、蔑む。
他の3人は「せっかく倒したのに魔王を生き返らせたあんたのほうがバカだ」と言いたいが、言えない。
「あんたねぇ、魔王って自称でしょ?」
戦士、問う。
「な、何を言ってるっ!そんな訳ないだろうっ!」
つまみ食いがバレた子供の様な態度の魔王。
「大体ね、あんた間違ってるところが多過ぎるわ。まず、始まりの村に居着いてどうするのよ。人間が立ち寄れない様な辺境に作った城で待ち構えてなさいよ」
「し、城・・・」
魔王、気落ちした。
「何よ、あんた城持ってないの?私達が行くまでに作っときなさいよ」
「あ、ああ・・・」
魔王、肩身が狭い。もはや威厳もくそったれもない。
「それに、魔王って意味分かってるの?魔界の王よ?魔法使いまくってくるのよ?あんた何よ、どっからどう見たってミノタウロスじゃない。レベル3の私達にタコ殴りにされてやられるなんて、そりゃあんまりだわ」
「・・・すいません」
魔王、いつの間にか正座。
「いい?今回は逃がしてあげるからよく勉強してくるのよ」
「はい、分かりました」
「じゃあ、行きなさい」
「あの、質問なんですが・・・」
魔王、恐る恐る。
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