いち

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「あなた方が勇者一行というのは知ってるんですが・・・。その、どなたが勇者なんでしょうか?いえ、別に煩わしければ教えて頂けなくても結構ですので・・・」 魔王の質問。 「私」 即答の戦士。 「そうですか。・・・え?あなたは女戦士ですよね・・・?普通はそちらの剣士の方では・・・。あ、別にダメでは・・・」 魔王、戦士の威圧に屈する。 「早く行きなさい」 「は、はい」 ドスドスと音を立てながら走っていくミノタウロス。・・・魔王。 僧(お主、聞いてくれんか) 剣(え、僕は嫌だよ) 魔(私も嫌です・・・) 僧(ワシはまだ、死にたくない) 剣(何言ってんの。もう充分生きたでしょうが) 魔(私も結婚するまでは死にたくないです・・・) 僧侶、剣士、魔法使い。肘で突き合い合図を送り合うが話はまとまらない。 僧(いっそ聞かんのは?) 剣(何を考えてるのか分からないまま一緒に戦うのはちょっと) 魔(分かったとしても妥協出来るかどうか・・・) 僧(魔王を倒せば二度と会わなくて済むと思っておったんじゃがな) 剣(いっその事、3人で夜逃げする?) 魔(どこへです?逃げ切れる気がしません・・・) 3人、話の方向が変わってきた。 僧(確かに逃げ切れんじゃろうな) 剣(ばらけて逃げれば捕まる確率は減るよ) 魔(誰かは犠牲って事ですか・・・) 僧(あやつが国王様から授かったペンダントは王家の証じゃ。ワシらが裏切ったとでも言えば、殺しても罪にはならん) 剣(え、そうなの?僕が渡されたのにアイツが取り上げたんじゃないか) 魔(ふぇ~、どうしようもないじゃないですかぁ・・・) 3人、落胆。 「あ・・・」 3人、驚愕。 「話はまとまったかなぁ、んー?」 戦士、一部始終を聞いていた。 「・・・」 3人、窮地。生き地獄。
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