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「あなた方が勇者一行というのは知ってるんですが・・・。その、どなたが勇者なんでしょうか?いえ、別に煩わしければ教えて頂けなくても結構ですので・・・」
魔王の質問。
「私」
即答の戦士。
「そうですか。・・・え?あなたは女戦士ですよね・・・?普通はそちらの剣士の方では・・・。あ、別にダメでは・・・」
魔王、戦士の威圧に屈する。
「早く行きなさい」
「は、はい」
ドスドスと音を立てながら走っていくミノタウロス。・・・魔王。
僧(お主、聞いてくれんか)
剣(え、僕は嫌だよ)
魔(私も嫌です・・・)
僧(ワシはまだ、死にたくない)
剣(何言ってんの。もう充分生きたでしょうが)
魔(私も結婚するまでは死にたくないです・・・)
僧侶、剣士、魔法使い。肘で突き合い合図を送り合うが話はまとまらない。
僧(いっそ聞かんのは?)
剣(何を考えてるのか分からないまま一緒に戦うのはちょっと)
魔(分かったとしても妥協出来るかどうか・・・)
僧(魔王を倒せば二度と会わなくて済むと思っておったんじゃがな)
剣(いっその事、3人で夜逃げする?)
魔(どこへです?逃げ切れる気がしません・・・)
3人、話の方向が変わってきた。
僧(確かに逃げ切れんじゃろうな)
剣(ばらけて逃げれば捕まる確率は減るよ)
魔(誰かは犠牲って事ですか・・・)
僧(あやつが国王様から授かったペンダントは王家の証じゃ。ワシらが裏切ったとでも言えば、殺しても罪にはならん)
剣(え、そうなの?僕が渡されたのにアイツが取り上げたんじゃないか)
魔(ふぇ~、どうしようもないじゃないですかぁ・・・)
3人、落胆。
「あ・・・」
3人、驚愕。
「話はまとまったかなぁ、んー?」
戦士、一部始終を聞いていた。
「・・・」
3人、窮地。生き地獄。
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