心は字へ

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やはり「字は心で書くもの」だ。 小学生四年の担任に教えられた。 字には心が乗り移っている。 安倍元総理の置き土産により、教員免許状を学校に提出せねばならず、先日、家の中を探し回った。 大昔にしまい込んだきりである。 すぐに見つかるはずがない。 探していると、教育実習の日誌を発見した。 紐解くと、担当教諭の指摘が目に入ってきた。 読み返すと、今でも勉強になり、身の引き締まるおもいになる。 今度は、自分の感想をみる。 「教師の一言は、生徒の人生を左右する」などと、経験が浅いわりには、「教育」を語っていた。 安定感を欠く字体ではあったが、力強く書かれていた。 自信のあらわれか、それとも恐いもの知らずか。 自分が言うのもなんだが、当時の自分はアツかった。(www) 真剣に教師を目指していた。 信念を持った教師になろうとしていた。 今はどうか。 確かに、多くの経験は積んだ。 しかし、「年々大事なものを失っているのではないか」と、当時の自分に説教されているような気分になった。 (髪の毛は確実に失っていますね) 「逆浦島太郎」だ。 力を与えてもらった。 もう一度、初心に返ろうと思った。 字はやはり魂を込めて書くべきだ。 字は決して風化しない。 必ず、自分の財産になると確信する。
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