2章【過去】

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あの雪の日から1ヶ月。 キミの事、色々知った。 名前は葉月。 8月生まれ。 ボクと同じ14歳。 隣街に住んでる。 あれから。 話し掛けることが出来なくて。 ただ、毎日待った。 学校帰りに葉月が通る道。 ただ、見つめた。 先に話し掛けてきたのは葉月。 苛立ち。怒り。 「なんで? 毎日ここに居るんだ、お前。 なんで俺を見てる?」 自分でも信じられないくらい、確信している想い。 葉月の黒曜石のような瞳を見つめ、 「葉月が好きだから。」 葉月は一瞬驚き。 すぐに顔を歪め、 「馬鹿じゃないの。」 走り去る。 その後ろ姿を、ただ見てた。 自然に口から出た言葉。 素直な気持ち。 今頃高鳴る胸。 痛いくらい。 それから、たまに葉月とは話すようになった。 「まじウザイ。」 「お前見るとイラッとくる。」 「二度と俺の前に現われるな。」 「てゆーか、死ねば。」 同じ世界に居られるだけで、いいから。image=286110246.jpg
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