683人が本棚に入れています
本棚に追加
「葉月の為なら、なんだってするよ。」
本心。
ボクに出来ることがあるならば、なんでもしたかった。
あるなら、だけど。
葉月はボクの言葉を聞いて一瞬真顔になって、
「じゃあ
俺の為にヒトを殺せる?」
葉月の口から出た意外な言葉に、反応出来ず躊躇。
…葉月はその一瞬も許さない。
「ホラ、なんでもなんて嘘ばっか。
ウザイ。嫌い。どっか行って。」
後で判った葉月が殺したい程憎んでるヒト。
葉月の実の父親。
葉月がまだ幼い頃におこった交通事故。
母親は死んだ。
葉月を庇うようにして。
葉月は、美しかった母親そっくりで。
葉月の父親は葉月のことを、ひどく愛してて、ひどく憎んでた。
葉月の身体には虐待の跡があった。
殴られた跡。
蹴られた跡。
煙草を押し付けられた跡。
それに‥‥。
ボクにヒトが殺せるだろうか。
考えてみても、答えは出そうになかった。
最初のコメントを投稿しよう!