プロローグ

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 始まりは……。 「俺、オーストラリアに行くから」  親父殿の無計画で無責任で、ずぅえーったいなんも考えてない爆弾発言から始まった。 「……なんだって?」  この物語の主人公――  ――会田和也は、 (↑あいた・かずや)  茶の間にある木のちゃぶ台の前でポカンとアッパ口。  ふつーに考えると、冗談にしても、もっとまともな寝言をほざけよクソおやぢと悪態の一つでも叩き付けてやりたい所ではあるが  ……いかんせん、このクソおやぢはこーゆー天地がひっくり返っても起こらないよーな絵空事を、何の前触れもなく平然と口にする、イカレた親父殿であった。  ――だからして。 「実は、今回の仕事でオーストラリアに三年ばかり出張する事になった」
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