まさかの夢

4/26
前へ
/73ページ
次へ
 美晴とは未だに絶交状態だ。聡子が間に入ってとりなしてくれてはいるが、もう昔のようには遊べない。  聡子は去年結婚した。同じ会社の人だと聞いている。その後はお互い連絡を取ることもなく日々の生活に追われていった。だから、美晴のその後は全く知らない。  勝手なもので最近またみんなで会いたいと思う。美晴ともなんでこんな風になっちゃったんだろうって悲しくなる。  一つため息をついてキッチンへ水を飲みにいった。  テーブルを何気なくみると、ビンらしきものが置いてある。  あれっ、胃薬でも飲んだのかな、隆也。 透明の丸いビンの中には青と赤の粒が見えた。あ、でも黄色の粒も見える。  ははっ、さっき見たアニメのやつみたい。  でも、こんな薬買ってなかったけど……と考えながら手に取った。ビンの形に沿って貼ってあるラベルを読んで驚きのあまり息を呑んだ。 「青粒で未来へ 赤粒で過去へ 黄色で現在へ」  ラベルにはそう書いてあったのだ。    え、えっ、えぇぇぇっ!? 本当に魔法のビンなの?     だって、でも、なんで、え? 頭の中で単語が混乱していた。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加