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 窓際の一番うしろの席が私の席だ。  休み時間にその席から眺める教室の風景が、なんだかバカバカしく思えて、私は好き。  巨大なフラフープに囲まれているかのような、中規模の集団が五ヶ所、教室の中にある。  あそこが、りっちゃんのグループ。あそこが、ゆうこちゃんのグループ。あそこが、ゆきちゃんのグループ。あとは男子のグループが二つ。  りっちゃんのグループは、みんなで大声で笑いあって、いちいち大げさな反応をしている。  ゆうこちゃんのグループは、いつもこそこそと何を話しているかわからない。  ゆきちゃんのグループは、その中間といったところだ。  それぞれ個性があって面白い。だから私は好き。  六年生になって一ヶ月が過ぎていた。
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