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「残り三分だ。見直しをしっかりしろよ~」
先生の声がシーンとした教室に響く
みんながテスト用紙を埋め終わるなか、一人の少年は名前すら書かず居眠りをしていた
それが我が主人公、秋澤刹那だ
「残り一分!名前の確認しろよ!」
ここでようやく刹那はむくりと起き上がる
そして黒板前の時計を30秒になるまで眺め、名前を書き始める
残り十秒
刹那のペン先がテスト用紙に触れ………
「…を…とし、…を…に...」
「テスト終了!各自解散な!」
夏休み明け前のテストが終わる
刹那の答案はしっかりと文字が埋め尽かされていた
「ふぅ…
やっぱ、時間操作は難しいな…」
刹那は髪の毛をくしゃくしゃとかき乱し、自分の手をグッパする
別に速記したから手が疲れた訳でも、「不思議な能力」を使用して手が疲れた訳でもない
単なる癖ではあるが周りにはそうはとられない
つまり
「よっ
それにしてもお早い速記で。夏休み明け早々、魅せるねぇ」
こういうのも寄ってくる訳で
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