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親になりきれない大人達2
『熱いっ!お義母さん!辞めて!ごめんなさい!ちゃんと、良い子にするから…お父さん!助けて!お父さん!』泣き叫ぶ私の手を、ガスコンロで焼く義母…見て見ぬふりの、本当の父…。
ガスコンロの上の私の手は、まるでグローブをつけているかのように、みるみるうちに赤く爛れ、親指から腕の間にかけて、ふぐをつついたお腹のように、プクッと水膨れができた…。
ガスコンロで手を焼く?
よっぽど、『あたし』が悪い事をしたのだろう?と、お思いだろうが、ただ、三つの子供が、キャベツの芯がどうしても食べられなかっただけだった…。
なぜ?理由?
そんなのあって、無いような物だ…。
この女の事を『お義母さん』と呼ぶようになって、一ヶ月…父とお義母さんは、新婚で…私達の親じゃなく、男と女で…子供なんて邪魔だったのだろう…。
だが、その頃の『あたし』には理解できず、虐待する義母・知らぬふりをする父に、愛されようと必死に、勉強し…必死にお手伝いをし…必死におりこうさんでいた…。
どんな事をしても、愛されないのも知らず…。
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