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「い、行ってきます!」
どうやら政義おじさんとのやり取りで大分時間を取られてしまったらしい。
由香里ちゃんは足音も猛々しくキッチンを出て行く。
「こら、由香里。ちゃんと食器を下げてからにしなさい!」
「明日はしっかりやるから、今日はごめんなさい!」
それだけ言うと由香里ちゃんはつむじ風のごとく、あっという間に玄関を飛び出て行った。
「本当にもう、あの子ったら。もう少し余裕を持った行動ができないのかしら」
春菜おばさんは実の娘の落ち着きのなさにやれやれと息をつく。
「でも、あれでこそ由香里ちゃんですから」
「それはそうだけど、これから先いつまで経ってもあのままなのは困るわ」
「ふふふ、確かにそうですね」
その内、多少で良いから春菜おばさんみたいに落ち着きや余裕を持った行動が出来るようになって欲しいとは思う。
とはいえ、バタバタと走り回る由香里ちゃんはとても可愛らしいから、あんまり変わらないでいて欲しいな、とも私は思うのだけれど。
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