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なにせ由香里ちゃんは朝はいつもぎりぎりまで寝ているか、もしくは寝坊して寝癖の付いた髪の毛を直す暇もないまま、慌ただしく朝ご飯をかき込むように食べるのが、この家での基本風景になっているのだから。
そんな由香里ちゃんが朝ふつうに起きてきた上に、朝食の支度を手伝うなんて言い出した日には、たとえ春菜おばさんでなくとも耳を疑ってしまうのはしょうがないだろう。
青天の霹靂とまでは言わないけど、私は思わず窓から外を窺ってしまった。
「あっ、お姉ちゃんまで」
どうやら由香里ちゃんに見つかってしまったようだ。
ばつの悪い笑みを返す。
「もう、二人してあたしをバカにして。いいですよーだ、どうせあたしには朝のお手伝いなんて似合いませんよーだ!」
ついにはふてくされてしまったようだ。
しまいには「もう二度と手伝いなんてしない」とまで言い出してしまった。
「お母さんちょっと冗談が過ぎたみたいだわ。ごめんなさい、由香里」
「私もごめんね。由香里ちゃん」
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