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「はい、どうぞ」
「ありがとう」
隣に座る由香里ちゃんからジャムの入ったビンを受け取ると、私は香ばしい匂いを放つ食パンに塗り付ける。
表面に歯を入れるとサクッと良い音がした。
次にもちもちっとした歯触りを楽しみ、最後にジャムの甘味とわずかな酸味を堪能する。
合わせてココアを一口啜れば、朝一番の至福の時間が私に訪れるのだ。
「うん、おいしい」
「もぐもぐ――うん、本当だね」
一口一口をゆっくりと食べる私と違い、由香里ちゃんはそれこそむしゃむしゃと勢いよく平らげていく。
あんなペースで食事なんて私には絶対に無理。
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