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ジリリリリッ!! ハッ! 久し振りに時計で目が覚めた。 『清美…夢に出て来なかったなぁ。』 今日は休み。 友達を作るような余裕も無かった由香利には、休日の予定などあるはずも無かった。 『何しよう……、 何もない。』 などと独り言を言うことにも慣れてきていた。 外はどんよりと曇って、一層気分は落ち込む。 でも、何かがおかしい! 部屋の様子が違うのだ!! これはまるで、高校生の時の部屋! 『何で!? どうして制服がある?!?』 学習デスクがあり、上には教科書、筆記用具が使いっ放しにしてあった。 『この部屋の様子… 清美と買い物に出掛けた日の朝!?』 この日、由香利は清美と買い物に行き、何かを話していたようなそんな気がした。 『でも思い出せない。』 ジリリリリッ ハッ!? 夢だった。 とてもリアルな夢。 時刻は7時5分。 『えっ!? 私、目覚ましかけてないはずっ!!』 セットした筈もない時計に起こされた由香利は、困惑したがらも朝の支度をした。 『ときかく気分転換!』 どこへ行くともなく、家を出た。
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