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街の中を歩く。 何をするでもなく、ただ歩く。 ………! また霧がかかってきた。 『!?』 霧が晴れたかと思うと、歩いていたのは…、 『あの頃の通学路!?』 そして自分を見て驚く! 『何で私、高校の制服着てるの!?』 そのまま歩くと、待ち合わせ場所に着いてしまったが、逃げようと体を反転させた。 だが、足が動かない! 腕時計を見ると、時刻はまさに7時5分を指そうとしていた!! 『早く逃げなきゃ!! 清美が来ちゃうっ!!』 どうやっても動かない足に苦闘しているうちにその時は来た。 『おはよー!』 走ってくる清美の姿。 思わず涙…。 そして… 『あっ!トラック!!また!?いやぁぁぁーーー!!』 ハッ!? 我に帰ると通勤途中にあるコンビニの前を通過するところだった。 『歩きながら夢を…!?』 しかし、叫ぶ由香利に驚いた周りの人達は、こちらを向いて固まっていた。 『あのぉ、大丈夫?』 すれ違いざまに声をかけてくれたのは… 『今田さん!』 同じ会社で働いていて、由香利が密かに思いを寄せている人だった。 『ビックリしちゃったよ。急に悲鳴をあげたりするから。』
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