恋人

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こんな所で思いを寄せている人にバッタリ会うなんて偶然にしては出来過ぎ! 運命を感じる由香利。 『あ!ごめんなさい!!』思わず謝る。 『謝らなくても(笑)』 ニッコリ笑う今田は、とても爽やかな人だ。 そう思った由香利は、事情を話す事にした。 『白昼夢!?』 近くの喫茶店に入り、今までの経緯、そして今見ていた夢の話しをしたところだった。 『い、今田さん!声が大きいです(苦笑)』 少し困り気味の顔で言う由香利に対して優しい顔で答える。 『ごめんな。ちょっと驚いたんでね。それから、会社じゃないんだから、和也で良いよ!(笑)』 二人の間には、暖かい空気が流れていた。 お互い気を許すまでそれ程時間はかからなかった。 珈琲を一口飲んで、大きく息を吸い込み、ニッコリ笑うと            『独りで頑張り過ぎなんじゃないかな。今日は俺が由香利ちゃんを笑顔にするよ!なんて、大袈裟だったかな?』      と和也は言った。 由香利は心から安心した。 この5年、ただ仕事をし帰宅する毎日。頼るものなど無かったのだ。 『でも…』 由香利は視線を落とした。 『どうした?俺、変な事言った!?』 不安気に尋ねる和也。 和也に視線を戻し、少し目を潤ませ由香利は 『私だけ幸せそうにしてたら清美に悪いっ!!って思って…。』 再度うつむく由香利の肩に和也はそっと手を置くと 『大丈夫だよ。由香利ちゃんの幸せを清美さんも願ってくれてるはずだよ!』 身も心も暖かくなるのを感じる由香利だった。
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