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風はないのに妙に禍々しい空は、台風が遠くからこちらを向いているから。
嵐の前の静けさ?
ぞくぞくする。
台風と聞くと荒れた海を想像するけれど、今日このタイミング、この場所にはアドレナリン全開なサーファーが待ち焦がれていたうねりが届き始めている。
台風のうねりからの、波と波、うねりは間隔が長く、私はこうして暢気にぷかぷか浮いていられる。
あぁ、気持ちいい。
禍々しい空を仰ぎ見、破壊的な力を蓄えて迫る波を待つこの時に、体を海に任せてぷかぷか。
何ともいえないアンバランスだけれど、このギリギリ感がまた気持ちいい。
「どM?」
ニヤニヤ浮かんでいると不意に目に入る迫り来る青の壁……。
「やべっっ!」
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