01:曇天 どんてん

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大の字にしていた体を急いで手繰り寄せたボードの上に乗せ、両手両脚フル稼働!   胸を反らせお腹でバランスをとりながらクロールの様な要領で遠くに見た青の壁に向かって漕ぎ出す。   車のギアがローからセカンド、サード、トップギアまで上がっていくように、私のパドルも漕ぎ出しは水の抵抗をいやというほど感じながら、段々とスピードに乗るほど力も抜けて、ぐんぐんと進む。   「やばっ!!」   さっきとは違う意味でまた声に出す。   今日 一番の波が来た!   胃が縮むような脳が覚醒するような、ハイになる感覚が少し見え隠れして体がいつもより自由に動き出す。
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