第2章

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冬独特の乾いた空気が身体の体温を奪ってゆく。 リョウの家からほどなく歩いた小川のほとり。 嫌がる彼を何とか宥めてここまで来たのはいいが……。 「うーん、やはり外套を着てても外は寒いな。大丈夫か?」 「大丈夫なわけないでしょう。」 水上を走る風も冷たいが、彼の態度もそれはそれは冷たいものだった。 (これは、やりすぎたか……?) 「こんな強引な人だとは思いませんでした。」 「悪かったよ。ほら、着物じゃ厚着しても寒いだろう?マフラーを貸してあげるから使いなさい。」 「……どうも。」 先程までの優美なお坊ちゃんはどこへ行ったのやら。 子供みたいに拗ねているリョウはマフラーを受け取る時さえ眼を合わせようとしない。 あの出来すぎた彼よりも、こちらが本当の彼にも見えるが……。 「でも俺の事がひとつ判ったじゃないか。強引な奴だって。ここへ来なかったら判らなかったかも知れないだろう?」 「あ……。」 「動かないと知り得ない事もある。」
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