800人が本棚に入れています
本棚に追加
/68ページ
涙が出て止まらなかった。
握り締めた手紙の文字が、涙でにじむ。
知らなかったよ……。
君がいなくなって、こんなにも君を愛してた事に気付くなんて……。
俺こそ愚かだ。
どんな言葉を並べても謝りきれない。
償いなど出来やしない。
一瞬でも君を疑うなんて……。
すまないリョウ……。
『好き』の一言さえも伝えられなかった俺を許してほしい。
いつか、いつかきっと、君を迎えに行くから……。
世の中から逃げたままの俺じゃ、君に好きだなんて言えやしない。
中途半端なままの俺では恥ずかしくて、顔も見せられない。
自分に自信を持てるようになったら必ず迎えに行くから……。
そしたら、二人で庭に椿の木を植えよう。
誓おう。
今ここで。
この椿の花に……。
最初のコメントを投稿しよう!