第7章

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涙が出て止まらなかった。 握り締めた手紙の文字が、涙でにじむ。 知らなかったよ……。 君がいなくなって、こんなにも君を愛してた事に気付くなんて……。 俺こそ愚かだ。 どんな言葉を並べても謝りきれない。 償いなど出来やしない。 一瞬でも君を疑うなんて……。 すまないリョウ……。 『好き』の一言さえも伝えられなかった俺を許してほしい。 いつか、いつかきっと、君を迎えに行くから……。 世の中から逃げたままの俺じゃ、君に好きだなんて言えやしない。 中途半端なままの俺では恥ずかしくて、顔も見せられない。 自分に自信を持てるようになったら必ず迎えに行くから……。 そしたら、二人で庭に椿の木を植えよう。 誓おう。 今ここで。 この椿の花に……。
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