第1章

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「そうですか……。あの、こちらへはまだご滞在ですか?もし宜しかったら、またおいで下さいませんか?」 「え?」 「実は私は足が不自由で、滅多にこの家から外へ出ないんです。良ければ外のお話を聞かせて頂ければと……ご迷惑でしょうか……?」 足が不自由? 一見してそのようには見えなかったが、彼が嘘を言っているようにも思えなかった。 こんな田舎の山奥で、一日中家の中にいる気分とはどんなものか。 彼のような若者ならばさぞ退屈でもどかしいであろう。 同情と好奇心、俺はその申し出を受け入れた。
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