343人が本棚に入れています
本棚に追加
『君のお父さん……君の師匠と言ってもいいかな。あの人には良くしてもらっていたからね』
良くしてもらっていた?
過去にもこの男が家にやって来て、親父との繋がりがあったのか?
『入学すれば、君の何かが見えてくる筈さ』
俺の、何か。
俺に関係のある、ものや人が居ると言うのか。
「……君にとって、悪い話では無いはずだけど。どうするんだい?」
明らかに誘ってきている口調だ。
「こっちに負担は無いんだよな?」
一応聞いてみる。金がかかる事に首は突っ込みたくない。
「そんな事を心配する必要は無いよ。負担はかからないし、それ以前に、君のお父さんも、この学園の入学を希望している筈だ」
「親父が……?」
バロードはゆっくり頷いた。
色々引っかかる所もあるが、入学すれば何かがあるかも知れない。
「……解った。是非とも、トルトリス学園に入学させてくれ」
「そう言ってくれると思っていたよ。歓迎する」
二人は握手を交わした。
†††††††††††††††††††
「あれが……トルトリス学園……」
俺、バリュライド・ドラグーンは目を細め、これから向かう島にそびえる建物を見つめていた……。
最初のコメントを投稿しよう!