水曜日

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―教室― 「ウィーッス!!」 樹が教室に入るやいなや癖っ毛満載の一人の少年が、朝から元気な声で話し掛けてきた。 「おぅ、彰!!いつも通り早いな。 って、お前……何してるんだ?」 どうやらこのハイな同級生は彰(アキラ)という名らしい。 その彰は樹が言う通り、机の下で何やらもぞもぞと手を動かしている。 「何って、決まってるだろ!! モンハンさっ、モ・ン・ハ・ン!!」 樹は上から彰の手元を覗き込む。 手にはブラックのカバーがついたPSPとは対象的な雪山のような銀世界が映し出されていた。 「お前マジでやってるんだな。よく朝っぱらそんな疲れるもの出来るよ。 で、何を狩ってるんだ?」 「ちょ、おまっ、疲れるはねぇだろ。 まっ、それはともかく今狩ってるのはだな……」 と、何かを言おうとした殺那、 「起立っ」 誰かが彼らの会話を遮った。
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