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「大体なんだ今の話は!初耳だぞ」
「ああ?前に言ったはずだぞ、ウチの可愛い可愛い妹を奪い取りやがって!」
「いつ言った!?」
「ウチに来た次の日に言っただろーがっ!」
「知らん!」
怒鳴り合いはさらにヒートアップする。
「大体だな、誠司、お前は自分から行動しようとは思わないのか!こう、可愛い女の子がいたら近寄って『ちょっと一緒にお茶でもしませんか』くらい言う度胸はないのか!」
「黙れ、クソバエ。それは一体何時代のナンパだ!大体、俺がナンパでもしてみろ、アイツがネチネチネチネチ嫌味を言って来るに違いないだろ。いっそ代わるか、てか代われ!」
「あっ、俺の動物愛護週間は終わってるからパス」
「ふざけんな!んな理由通用すっか!」
「無理を通せば道理が引っ込む」
「意味わかんねぇ!」
お互い一歩も退かない舌戦に、とうとう終わりの時がきた。
キンコーンカーンコーン。
というベルが鳴り、一拍遅れて一限目の世界史担当のひょろ長い体躯の教師が入ってくる。
「おーい、みんな座れー。休みはいるかー?」
流石に授業中まで騒ぐ訳にはいかない。
数秒お互い目を細めて睨み、無言で八輝が去っていく。
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