荒れた妻

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家に明かりが点いていると幸せだと言うけれど、ヒロには重荷にしか感じられなかった。また今日も小言を言われるかと思うと、足取りも重くなる。     「聞いて!」     玄関を開けると、目の前に顔を真っ赤にしたタエコが立っていた。     「なんだよ。こんな所で」   「近所のママが、うちの子が可愛くないだなんて言うのよ!?普通言わないでしょ?」   「だから?」   「ヒロは悔しくない訳?!侮辱されてんのに!」   「…どうせ、またタエの被害妄想だろ。ちゃんと人の話聞かねぇし」     腕を掴もうとするタエコの手を振り払い、スタスタと洗面所に向かう。     「私が悪いって言うの?!ヒロ!」     玄関でヒステリックに叫ぶタエコを無視して扉を閉める。 最近は毎日これだ… 誰がムカツクのなんなのしか言わない荒んだ妻。 病んでいるにちがいない…家も妻も…
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