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初めてサヤに会ったのは今年の春。取引先にいる新入社員の中の一人に、一瞬で俺の心は奪われた。優しい微笑み、話をするうちにどんどん惹かれていった。
「好きなんだ」
「えっ?でも…」
サヤが躊躇するのは当たり前だった。俺には妻子がいるってのは、皆が知っていた事だから。
「サヤの事が好きなんだ」
こんなに人を好きになったのも、想いを伝えるのも初めてだった。
「俺の事を愛してくれ…サヤ」
文法や単語を考えられないくらい、ヒロの頭の中はぐちゃぐちゃになっていた。とにかくサヤに対する気持ちを必死に伝えようとした。
サヤはこんな俺を受け入れてくれた。
嬉しかったんだ。
例え許されない事だとしても…
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