疑い

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サヤに出会ってから、タエコとの関係は目に見えて悪化していった。今まで家では携帯の電源は切っていたのに入れたままにしておいたり、帰宅時間も深夜が多くなったのだから、疑うなという方が難しいだろう。     「ヒロ…浮気してるだろ」     いきなり話し掛けられて、飲んでいたビールのグラスを落としてしまった。     「してねーよ」   「ふーん…嘘ついたら刺すからね」     鼻息荒く部屋から出て行ったタエコの後ろ姿に、ヒロは頭を抱えた。     「なんであんなに可愛くなくなるんだ?」     今すぐサヤの元へ飛んでいきたかった。その体をギュッと抱きしめたい。 でも、それが叶わない事はヒロが一番分かっていた… 自分で蒔いた種だから。
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