1・月夜に吠える

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私は脳内のアドレナリンと ドーパミンを噴出させ、 一種の陶酔状態に入る。 人狼は、アドレナリンと ドーパミンという脳内物質を 自在に操り、 オーバードライブ できるのだ。 徐々に私の意識が遠くなり 頭の中が真っ白になるころ 原始のリズムとともに、 狼の遠吠えが聞こえはじめ やがて、意識は戻る。 意識が戻るころには 変身は完了している・・ はずだ。 ゆえに、今現在 私は狼の姿である。 4本足で ネオンの隙間を掻い潜り 路地裏を駆け抜ける。 銃弾が後ろから 私の3ミリ横を何度も 通過していく。 早く、 大通りにでなければ・・ 人が沢山いる 開けた場所に出てこれば 勝ちだ・・ いや、勝ち・・では無い。 逃げ切った・・である。 さすがに人間様も、 同族が溢れる街中で 銃を乱射したりは しないだろう・・
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