1・月夜に吠える

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古ぼけたラーメン屋の裏口を 曲がり、さらには袋小路に 積まれた 粗大ゴミを ピョンピョンと飛び跳ね 上昇していき、 行き止りの壁をクリアする。 壁の上に立った時、 前方には 眩いばかりの光が 煌々と私を照らしあげ 人々の雑踏が聞こえた。 逃げ切った・・か。 飛び跳ねるように 落下し、 悠々と人ごみの中を歩き 後ろを振り返る。 サングラスに 黒いスーツを 着こんだ男たちが こちらを睨みつけ、 どこへともなく  消え去っていった。 あれは 人間側の 特殊暗殺部隊だな・・ 彼らは通称、『狩人』。 人間以外の種族を 主に闇に葬る、暗殺集団。 通常、人間に対して 危害を加えた者に 殺害命令が下され、 奴らがやってくるのだが・・ 私には全く身に覚えが無い。 こんなに平和に暮らしてる 人狼狙って、 何だってんだ・・
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