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私がキレて、他の生徒や先生に怒鳴り散らしている間…
彼はまず104に電話をし、タクシー会社の番号を聞き、タクシーを呼んでくれた様で…
彼:「タクシー来たから、行くよ」
私が持ち上げようとしても、びくともしなかったワンちゃんをヒョイと持ち上げ…(当たり前か。男の子だもんね(´д`)チッ)
タクシーを見て…
『へ?』って顔をしていたであろう私に彼は言いました…
彼:「タクシー呼んだんだよ。歩いて連れて行ったら本当に間に合わないよ。駅近いからタクシーの方が早いでしょ」
まぁ、つまり高校は駅から近くて…
犬の為に動いてくれるような国では無いという…
救急車呼んでも来てくれないだろうしね…
嫌な国。
彼の冷静さには脱帽ですな…
最も私が阿呆なだけですが…(TдT)
彼は唖然とする私に、少し笑った…
先公:「待て!○○!(←彼の事)授業はどうするんだ!」
本当に殴ってやろうかと思い、先生の方を振り返って睨みつけると…
彼の静かな声が…
彼:「そんなもの出ません。授業より大切なものが沢山有りますから」
優等生のこいつに言われたからか、先生はあっさり引き下がりましたね。
先公唖然…
女の子達「やっぱりヒロ君カッコいいよね~」
あぁ…死にたいのね?
私に殺して欲しいという事ね?
今そんな暇ねえんだよ。
タクシーに、ワンちゃんの血で制服がドロドロになった二人が、犬を抱えて入ろうとすると…
タクシーの運ちゃんはあからさまに嫌そうな顔をなさいました。
「お客さん困りますよ」みたいな事を仰ってましたね。
私:「小川動物病院まで。急いで」
私が有無を言わさずにそう言うと、タクシーの運ちゃんは渋々発進させた。
ワンちゃんは彼に抱きかかえられ、浅く早い呼吸を繰り返している…
早く…
早く…
早く…
頭の中はそれでいっぱい…
私:「もっとスピード出して!間に合わなかったらどうすんだよ!」
完全にキレてる私…
一方彼は落ち着いていて、ワンちゃんに声をかけながら、優しく撫でている…
ワンちゃんは弱々しく尻尾を振って…
死んだら、どうしてくれるんだ…
クソ先公、クソ生徒共…
あいつら、ただじゃおかねぇ…
そんな事を考えていた。
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