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「………はぁ!??浮気なんてしてねえよ!!!何言ってんだお前!???」
浮気するもなにも浮気する相手すらいないっつーの!!!
それに何だってんだよその態度!?
俺はサキュバスから注がれる視線にほんの少し苛立ちを覚えた。
「ならなんでそんなに知らない女の匂いをプンプンさせているのだ!!!あんなに毎晩可愛がってやっていると言うのに…我(われ)だけでは足りぬと申すか!!!!!」
サキュバスは変わらず鼻をつまみながら、少し涙を浮かべ顔を真っ赤にして怒っている。
「毎晩可愛がって…ってお前えげつない言い方するなよ…
其れはお前の都合でだろ!!!
それに、女の匂いなんてするわけ……あ…」
俺は今日内田と一緒に居たことを思い出した。
女の匂いって…内田の事か!???
確かに手ぐらいは繋いだけど………もしかしてあの時内田の香水の匂いが移ったのか???
「‥ほらみろ…やっぱり浮気したのではないか!!!」
サキュバスは更に涙を浮かべ今にもこぼれ落ちそうだった。
「わぁあ!泣くな泣くな!だからそれは誤解だって!!!」
コイツは泣き出すと厄介だからな。
コイツの涙には猫を惹き付ける効果があるらしく、前に一度些細な事で喧嘩した時もワンワン大泣きして、それに感化された猫達が大量に押し寄せて来るもんだから近隣住民が怒って危うく家を追い出されそうになった事がある。
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