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俺は内田があちこち動き回る度に恥ずかしそうに出たり隠れたりするピンクの布に目を奪われていると、突然内田がこちらを振り向いた。
ヤバい!と思いとっさに視線を逸らした次の瞬間、内田は社内全体に聞こえるのではないかと思うくらい大声で叫びだした。
「あったぁぁあ!!!!」
「…へ?」
てっきり自分の下着を覗かれている事に気付いて怒ってくるかと思っていので、何故だか拍子抜けしてしまった。
「あった!あったよぉ!!!良かったぁ~!無くしたらどうしようかと思ったよぉ~!!!」
内田は少し涙目になりながらも手のひらでピアスを転がしながら愛おしそうに見つめている。
そうとう大事な物なんだな…
彼氏から貰ったのか…?
「…見つかって良かったね。
じゃあ俺はそろそろ持ち場に戻るよ。」
俺は重い腰を上げ鬼課長の待つ自分の部署へ戻ろうと足を進めた。
「あ…橘くん…!」
「…え?」
俺の名前知ってたんだ…!?
ただ名前を呼ばれただけなのに他の男達に勝った様な気になり少し嬉しくなった。
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