バレンタインデー

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 その後ハルヒは制服のポケットから可愛い包装を取り出し、俺に突き出した。 「手づくりよ、一日中ポケットの中に入れてたから溶けてるかもしれないけど、味は保証するわ。ありがたく食べなさい」  俺は包装を丁寧に剥がした。  ハート型にLOVEの文字、こりゃきっと溶けてなくてもベタベタだな。 「うるさいわねー、ハート型宇宙船なのよ!」  きっと作ったのは地球人だな、NASAあたりだろう。LOVEってのはどっからどう見てもアルファベットにしか見えない。それとも違う星でも似たような文字を使ってるのかな?  これ以上ツッコムとせっかくの宇宙船がスペースダストとなりかねないので、そのツッコミは心の中だけでした。  ハルヒの作ったチョコはすごく甘くて、何故かちょぴりしょっぱくて、今まで食べたどんなチョコよりも美味しかった。 「どう美味しい?」  銀河のような輝きを持つ瞳で聞いてくるハルヒ。 「おまえが作った物で美味しくない物なんてあるか。最高だよ。愛が詰まってるからかな?」  ハルヒの顔がみるみる赤くなっていく。 ゴン。 褒めたのに殴られた。でもそれは全然痛くなかった。
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