エンドレス・デート

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俺は垂直にしたら月まで届きそうな溜息をついた。そんだけデートを繰り返して、俺は一度たりともハルヒを満足させることができなかったのか。かすかな自信と誇りを失うね。 『デートの内容は、遊園地、映画館、買い物に分岐する。最も多いパターンは遊園地で、10453回が遊園地。あなたがこの繰り返しに気が付いてからは全て遊園地に行っている。今回も遊園地になる可能性が高い。』 今回も、おまえはずっと観察していたってわけか。 『そう。二人きりのデートという性格上、私が同行することは望ましくない。私は、あなたたちに気付かれることなく尾行し、現在も観察を続けている。これからのあなたの行動パターンはほぼ一定であり、これからそれを指示する。 情報統合思念体は変化を望んでいる。これまでの8768回はほぼパターンが同一であり、観察対象として単調。データの採取は既に十分。あなたの働きによって涼宮ハルヒが満足しパターンを破ることが望ましい。』 どうすりゃいい? 『今から指示を出す。遊園地に入ってからでは連絡は困難。覚えて。』 長門から繰り出される指示を聞きながら、俺はさらに溜息をついた。とにかく長門の指示を忠実に実行するしかない。朝比奈さん風に言えば、「規定事項です」ってやつだ。 朝比奈さんに電話をしなかったのかって? 正直、朝比奈さんに話してもあのお方を混乱させるだけだろう。和服を着た朝比奈さんが、未来と連絡が取れなくなって、おろおろと泣き出すのがオチだろう。そんな事態だけはなんとしても阻止しなくてはならんからな。 俺はトイレを出てハルヒの元に向かった。長門に教えられたスケジュールを頭の中で反芻する。しかし、長門よ、これを今日一日で全部するのか? 「遅いじゃない、キョン!行くわよ。」 一応聞いてみる。なあハルヒ、どこに行くんだ? 「遊園地!!」
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