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部室に行く途中で古泉に会う。サワヤカハンサムスマイルは肩をすくめるいつものポーズをして見せた。
「どうやら、今回の場合、どうしてもあの八月と同じ原因があると思い込んでしまったことが、ことを長引かせましたね。
涼宮さんは満足しなかったのではない。むしろ、この上なく満足してしまったために、今日という一日が終わらなければいい、と望んだのでしょう。あなたが遊園地で頑張るほど、ベッドで頑張るほどに、泥沼にはまっていったのです。
もちろん、彼女がデートに満足できなければ、繰り返しが起きることも確実です。涼宮さんが満足してもしなくても、結局繰り返しが起きてしまう。まさに、無限ループです。
ところが、あなたの一言によって、彼女は次のデートに関心を集中させていた…。そうだ、次のデートのためには、今日という一日が終わるのはしかたない、そんなとこでしょう。
いやあ、実に興味深い。あなたには、次のデートの時にループにならないよう努力する義務が発生しますね。涼宮さんを完全に満足させた上で、次のデートを約束するんです。」
あ、これはこれで無限ループですね、と古泉が言い、俺は溜息をついた。やれやれだ。部室のドアを開けると、いつものように長門と、朝比奈さんが―
あれ、朝比奈さん?なんで顔を真っ赤にして、肩を震わせていらっしゃるのですか?その睨む様な視線は、ひょっとして怒っていらっしゃるとか…
「朝比奈みくるにあなたの破廉恥な行為を全て報告した。」
おいっ!長門!!
「ひ、一晩で、は、は、八回なんて…キョンくんなんて大嫌いですっ!け、け、け…」
あ、朝比奈さんっ―
「けだものですっっっ!!!!」 (終)
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