きっかけ

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  普通の人間なら、僕が太陽を浴びた人間と知ったらすぐに側から離れて警察に電話するだろう。   赤子の頃からそう叩き込まれるから子供だって知ってる。   でもこの子は違った。   それどころかこの子は太陽を見てみたいという。   これは現在の社会じゃ人を殺してみたいと思うくらいの重罪だというのに。     「…太陽を見たいなんて……言わない方がいい。」   「ふん。私だってそれがどれだけ大変な事を言っているのかくらいはわかる。でも貴様は太陽を見た事があるのだろう?私は単純な自分の感情でそう答えただけだ。」     小学生とは思えないくらいしっかりとした考えで喋るなぁ。   いや大学生だったか。     「…キミね、年上に貴様なんて言っちゃダメだ。僕の名前は岡本燈次郎。…まぁ好きに呼んでくれ。」   「ふむ、失礼した。ではこれからは貴様の事は岡ちゃんと呼ぼう。」   「………。」     何の嫌がらせだ? 何故に10近くも年下の女の子からちゃん付けで呼ばれなきゃならんのだ……     「ふむ、まぁ冗談だ。普通に燈次郎と呼ぶよ。」   「…それでも呼び捨てか。まぁ好きにしてくれ。キミの名前は?」   「私の名前なぞ聞いてどうする気だ?貴様は個人情報保護法という先人達が作った立派な法律を知らんのか?」   「…………。」    
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