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僕はその女の子の放たれた一言に呆けていた。
「どうした?そんな死んだダニのような目で見るな。貴様が変態ならそんな目で見られると私は汚れてしまう。」
「……!!」
なんと…!
この子は死んだダニの目を知ってるというのか!?死んだ魚の目ならまだしも…!!
「……あのねぇキミ、初対面の人に貴様とか変態とか言ったらダメだよ?分かる?」
僕は出来るだけ優しい口調で諭すように話した。
「むぅ…では初対面の可愛らしい女の子を自分の膝枕で寝かすのはいいのか?」
「…ふむ。根本から説明しよう。別に僕は自分からキミを僕の膝に誘ったわけじゃない。キミが勝手に僕の膝を枕にしたんじゃないか。……あと自分で自分の事を『可愛らしい』と言うのはどうかと思うぞ。」
「…私が自らだと?…うーむ、それが本当ならそれは失礼した。それと私は自分の事を客観的に見て可愛らしい女の子だという事を自負している。もし貴様が私を可愛らしいと思っていなかったら、それも踏まえた上で謝罪しよう。申し訳ない事をした。」
「………。」
こ、これじゃあまるで僕が悪者じゃないか…
「…む、むしろ、すいませんでした。」
「ん?何故貴様が謝るのだ?」
僕はなんにも悪い事はしてないのに罪悪感でいっぱいになった。
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