第弐幕

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私は仕事以外で外に出る事はほとんどなかった。 トレーニングは自宅で出来ているし、射撃場もこのマンションの地下にあった。 私以外の住人には知らされていない射撃場。 鍵を持っているのも私と修羅だけ。 修羅はこのマンションのオーナーだ。 元は【誰か】の物らしいが修羅が私の為だけに権利を奪ったのだ。 奪ったと言ってもその【誰か】は快く修羅に受け渡しその後、私によって全てを失った。 最も…その元凶は私。 私が射撃場が欲しい等と言わなければ、彼女…いや、その【誰か】は生きていたかもしれない。 ゴメンナサイネ。 でも…どうしても家を出て射撃場があるのは嫌だった。 火薬の匂いが服についたまま車に乗り込むと気分が悪くなる。
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