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「めずらしい…ひらめくん、いい子なんだね。」
よりは俺を
じぃっと見つめ
口の中のさくらんぼを
もごもご動かしていた。
「なんだよ、俺は一夜漬けでどうにかするんだよ。」
「ちゃんと勉強しなさい。」
ひえっ
お前は母ちゃんかよ!!
お昼は説教が続いた。
「だからあんたは頭悪いのよ。」
「すんません…。」
なんだ俺は!
「あ、そうそう…米井くんが勉強教えてくれるって、さっき言ってた。」
米井くん…
あぁ
ごろさんのことか。
ごろさんってずっと呼んでると
本名わからなくなる…。
「なんでごろさんお前に言ったわけ?」
「あたしから言ってあげた方が、俺から言われるより悔しくないだろうって。」
あのヤロー。
理由聞くんじゃなかった!
すげえ悔しい。
「ふふ、あんたもそこまで言われたんだから、そろそろ勉強のこと考えたら?自転車の後ろに乗せてくれることなら、もっとゆっくりできたときでいいからさ。」
俺は嫌だった。
勉強のことなんて
考えていられない。
テストが終わってから
坂登ってたら
卒業に
間に合わない。
もっと時間が
ほしかった。
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