12月3日

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「めずらしい…ひらめくん、いい子なんだね。」 よりは俺を じぃっと見つめ 口の中のさくらんぼを もごもご動かしていた。 「なんだよ、俺は一夜漬けでどうにかするんだよ。」 「ちゃんと勉強しなさい。」 ひえっ お前は母ちゃんかよ!! お昼は説教が続いた。 「だからあんたは頭悪いのよ。」 「すんません…。」 なんだ俺は! 「あ、そうそう…米井くんが勉強教えてくれるって、さっき言ってた。」 米井くん… あぁ ごろさんのことか。 ごろさんってずっと呼んでると 本名わからなくなる…。 「なんでごろさんお前に言ったわけ?」 「あたしから言ってあげた方が、俺から言われるより悔しくないだろうって。」 あのヤロー。 理由聞くんじゃなかった! すげえ悔しい。 「ふふ、あんたもそこまで言われたんだから、そろそろ勉強のこと考えたら?自転車の後ろに乗せてくれることなら、もっとゆっくりできたときでいいからさ。」 俺は嫌だった。 勉強のことなんて 考えていられない。 テストが終わってから 坂登ってたら 卒業に 間に合わない。 もっと時間が ほしかった。
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