さがす

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時が経ち、少し落ち着いた私は居間に移動した。そしてテレビを点け今日のニュースを確認したのだが、やはり未知のウィルスの事は報道していない。本当に大丈夫なのか?直ぐにでも避難させた方が良いのではないか?私は疑問を巡らせていた。   ソファに座りテレビを視ていたが、暫くするとニュースが終わり、バラエティー番組が始まった。私はテレビ消し一息ついた。 そして、今日あったことを整理することにした。   第一に、アキは生きているということ。しかし、ナツの生死は不明であり、今危険にさらされているということ。 第二に、アキから未知のウィルスがばら蒔かれ、日本国内に蔓延する可能性があること。その為、早急にアキを保護する必要があるということ。 第三に、ウィルスは潜伏期間が短く、直ぐに発症する可能性が高いということ。また、死に至るもので、ほっておくと死者が多数出るということ。 そして、私がアキを保護しても研究や、検査で日々を過ごし、私達夫婦と過ごす時間が無くなってしまうということ。   アキの為、全人類の為には仕方のないことだと頭の中ではわかっているつもりだ。しかし、本当にアキの為になるのだろうかと、思わずにはいられない。 この現象を止められるならいい、しかしもし死ぬまでこのままだったら?娘が不憫でしょうがない。代われるものなら代わってやりたいものだ。 そうこうしている内に時間はあっという間に過ぎ、朝を迎えた。そして私は、会社に今日仕事を休む旨を連絡した。   私は準備を済ますと、大きな段ボールを持ち家を出た。
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