うまれる

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次の日仕事が終わり、私は病院へと向かった。病院に着くと入口が何やら慌ただしかった。救急車が止まっている。きっと急患が来たのだろうと、横目でチラチラ見ながら病院の中に入り、ナツの病室へと向かった。   「今日は遅かったね」   扉を開けるとナツが話しかけてくれた。   「ああ、ちょっと忙しくてな。そういえば今、病院の入口に救急車が止まっていて、慌ただしかったぞ」 私はコートを椅子にかけながらナツに話しかけた。  「へぇ~そうなんだ、急患かな?」 「多分な」 私は椅子に座ると、ナツに違う話題を振った。 「なぁ、アキとまだ会えないのか?産まれた日に会ったっきりだよな?」 ナツは不安な顔をし、口を開いた。 「なんでだろうね、おかしいよね、先生に言っても、もう少し待ってくれとしか言わないし……」 「何でだろうな?まぁ、今日は遅いからあれだけど、明日先生に訊いてみるよ」 私がそう言うとナツは少し笑ってくれた。 アキが産まれて幸せだったはずの私とナツ、しかし不安が私達の幸せを奪っていった。今あるのは幸せではなくアキへの、そして病院への不安だけだった。 そして次の日、私は先生に事情を訊くため病院に向かった。
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