うまれる

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病院に着くと直ぐ異変に気がついた。入口が閉め切られ、病院閉鎖の貼り紙が自動ドアの入口に貼られていたのだ。   何故だ……昨日まで活気に溢れていた病院が、何故突然閉鎖になったんだ?激しい不安が襲いかかる。アキとナツは無事なのか?私は無我夢中でドアを叩いた。しかし、中から人が出てくる気配はない。 一体何があった……? その時、後ろから声を掛けられた。 「三宅……ハルオさんですか?」 この非常時に何だ!という苛立ちの中、声がする方へと振り向いた。そこには中年の男二人が立っていた。 「何ですか?今忙しいのですが」 少し強めな口調で、私は男達に言った。 すると二人の内の一人が、私に名刺を渡しこう言った。   「ちょっと、付いて来てもらえますか?」 私は、どう断ろうかという事を考えながら名刺を見た。そこには厚生労働省という文字と、三並 マサオという名前が書いてあった。他にも肩書きや、電話番号等が書いてあったが、今はそんな所を見ている暇はない。 断ろうと考えていた、しかし私は厚生労働省の文字を見て、この病院に何があったかこの男達は知ってるのではないかと考えた。 「この病院何があったのですか?入院している妻は、娘はどこにいるのですか?」   私は男達に訊いてみた。   「私共も、その事をあなたに話そうと思い伺ったのです。ここではなんなので、一緒に付いてきてもらえないでしょうか?」 「娘は、妻は、どこなんですか?教えて下さい!今教えて下さい!」 私は男の一人にしがみつき、必死な形相と口調でアキとナツについて訊ねた。 「我々は、あなたを連れて来いと命令されただけなので、何も知らないのです。ですが、付いてきてくれるのであれば、必ずお教えすると約束しましょう」 男の内一人がただ冷静に淡々と答えた。 他に手がかりがない私は、彼等に付いて行くことにした。
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