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私は彼等の車の後部座席に乗ると、車は動き出した。
「あの、何処に向かうのですか?」
私は彼等に訊いた。
「対策本部です」
三並さんが答えてくれた。しかし、あまりにも大雑把すぎる返答に意味がわからないでいた。
「何の対策本部なのですか?」
私の問いかけに再び三並さんは答えてくれた。
「詳しくは本部に着いてからお教え致します。あと、訊きたい事が山程おありかと思いますが、私共も詳しく知らされていませんので、答える事は出来ないと思います。大変申し訳ありませんが本部までお待ち頂けませんでしょうか」
三並さんの返答を聞いた私は、何を訊いても答えてくれないだろう。そう思い黙り込んだ。
そして、頭をフル回転させ、この状況を考えてみた。
まず、私の知りたい事について整理してみた。
第一にナツとアキの安否。これが一番重要であり、どうしても知りたい事である。
第二に突然の病院閉鎖。一体病院に何があったのか?ナツとアキの行方が分からなくなった理由が、そこにあるのではないかと考えられる。
そして第三にこの男達が私を探していた理由。あの病院全患者の身内を探していたのかもしれない、しかし何故直ぐに伝えない?そして対策本部とは何なのだ?何を対策するのだろうか?
どんなに考えても、私の頭ではこれ等の事を想像することさえも出来ない。ただ、不安がそうさせているだけなのかもしれないが……。
取りあえず今はナツとアキの安否、行方だ。それを知ることが第一だ。
そんなことを考えいる内に車は対策本部へと到着した。
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