毒の沼地に沈めて、死を待つ。

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   あたしが厚志と会ったのは、享楽街の外れにあるバーだった。あぶれた奴らがはばをきかせるアングラな店は、ちょっとばかりおかしい奴らが集まるので有名だった。でもガサ入れがないのはオーナーが裏世界に通じてるとかの噂。オーナーのモンさんは行き場をなくした若い子たちに場所を提供してるだけで、未成年には酒もタバコも許さない。頭堅いってみんな笑うけど、あたしが出会った中ではまともな大人の部類に入る人だ。  あたしが初めてモンさんの店に入ったのは、夜徘徊してた高校生の時。酔っ払いにウリの子だと思われて絡まれてたあたしをたまたま、外で休憩していたモンさんがお店に匿ってくれたのだ。  
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